Bright Step 感想レポ
7月30日にバレエ公演のBright Stepに行ってまいりました!
この公演のプログラムと共に気になった作品のレポをあげていきます。
第1部
1、「パキータ」よりパ・ド・トロワ
石川まどか・升本結花・関根海斗
2、「白鳥の湖」よりアダージオ
佐々晴香・高橋裕哉
3、「My Neon Flicker」(振付:Paxton Ricketts)※世界初演
刈谷円加
4、「パリの炎」よりグラン・パ・ド・ドゥ
菅井円加・西島勇人
5、「エスメラルダ」よりグラン・パ・ド・ドゥ
奥村彩・山田翔
「パキータ」
今回はオープニングなどもなく、すぐに最初の演目のパキータのパドトロワから始まりました。個人的にパキータは好きですね。
やっぱりガラコンはコンテでなくクラシックで始まってこそ締まりますね。パキータは王道クラシックでは無いものの序盤に盛り上がるという点では良い選曲かと。
所々ミスがあったり、場当たりが合ってなかったり、惜しいところもありましたがそれはこのガラコンの性質上(本番は1日だけだし、ペアも違うバレエ団の人)仕方ないのかなぁとも
「白鳥の湖」
佐々晴香さんがすごかったです。今回ノーマークで、よく知らなかったんですが、確実に今回のMVPだったと思います!
脚が強くて綺麗だし、踊りが素敵だし、ミスがなかったのがポイント高いかなと。今回は何かと少しミスのある人が多くて(それでもその後きちんと戻せる強さが流石と感じました)、その中でパドドゥ2つともミスが無かったのが凄かったです。
「パリの炎」
西島さんと菅井さんという安定のペア。
まず菅井さんが圧倒的な身体能力を見せつけましたね。まずアダージオの最初、男子並みにジャンプしていて本当にすごい。
複雑なフェッテするし(難しすぎてか一回崩れかけたけど見事持ちこたえましたね)、最近はコンテを踊っていることが多いですが、菅井さんのクラシックもいいですねー
今後ももっと踊ってほしい。できればがっつり王道クラシックも観てみたいです
西島さんもそんな菅井さんに劣らず魅せてましたね。さすが盛り上がりがすごかった。
第2部
1、「海賊」よりグラン・パ・ド・ドゥ
デザイナー:後藤凧
2、「Consequence」(振付:Juanjo Arques)※日本初演
奥村彩・加藤三希央
デザイナー:オリバー・ホーラー
3、「眠れる森の美女」よりグラン・パ・ド・ドゥ
佐々晴香・石田浩明
デザイナー:こはる
4、「ドン・キホーテ」よりジプシーの踊り
石川まどか・菅井円加・升本結花・関根海斗・西島勇人・山田翔
デザイナー:HIKARU
5、「ドン・キホーテ」よりグラン・パ・ド・ドゥ
寺田翠・大川航矢
デザイナー:加藤千紗子・森岡佑衣
「Consequence」
横浜バレエフェスティバルの時も思ったけれど、加藤さんの踊りがとても好きです。柔らかくて綺麗で本当に好き。
ローザンヌのアルブレヒトの時から踊りの上手さは際立ってたと思います。同じく入賞した二山くんや前田さんは素質の良さが光っていたけど、加藤くんは明らかに踊りが大人だったなぁと。これは年齢の差があったからかもしれないけれど。
あとこれも横浜バレエフェスティバルと同様に加藤さんの作品は、照明が世界観を表してて背景が見える感じでとっても綺麗でした。
今回の作品の題名はConsequence。意味は結果なんですが、どういう意図で作られたのかはまだ汲み取れず。こういうのは何度も観なきゃいけないんですよね。
「ドン・キホーテ」よりジプシー
メインのペアは西島さんと菅井さんのパリ炎コンビでした。
ジプシーでは身体能力の高さを存分に発揮してましたね。正直この踊りでは菅井さんは別格でした。本当に次元が違うというか。背中も柔らかいし、踊りも魅力的だし、この曲があることでこの公演を一気に豊かにしていました。
「ドン・キホーテ」
寺田さんと大川さんはザ ロシアなドンキでした。ロシアバレエ良いなぁって再確認。
寺田さんがコーダのフェッテで序盤落ちてしまって大丈夫かなと思ったのですが、そこはさすがプロ。止まらずすぐに立ち直りましたね。ミスしない強さよりもミスからすぐ立ち直れる強さの方が大事なんだろうなぁと感じました。
2人ともロシア仕込みのバレエで、とてもきれいで盛り上がっていました。この2人のドンキ全幕が見てみたかった。
ただ、この2人がこの夏(オフシーズン)に全幕で踊る機会って用意されていないんですよね。発表会で踊っていたり、ガラコンだったり。もう少しこういう人たちの踊りを見る機会があればいいのに……って思いました。せっかく世界中でたくさんの日本人が踊っているからね……
デザイナーによる衣装
2部の演目はデザイナーによる衣装でした。
今回はこれも目玉ということで。
まぁただ難しいですよね。海賊と眠りの衣装はかなり斬新なものでした。正直、そこが気になって踊りに集中できないと思わなくもなかったし、Twitterでもネガティブな意見が多そうですが、それでも私はこれをやったことにこそ意味があると思います。
バレエをバレエだけで終わらせずもっと広げる。そんな西島さんの心意気に惹かれます。批判もいろいろあるだろうけど、今後もこういう挑戦を重ねていってほしいです。
あ、でもドンキの衣装は可愛かったです。ABTぽかったかな。
自主公演の難しさ
若手のみで行われている本公演。
スポンサーはチャコットだけ。古い習慣にも偉い人にも捕らわれず、疎いバレエ界でクラウドファンディングで公演をやっているのは他にないのでは?と思います。
回を重ねるたびに会場は大きくなっているし、今回はかなり埋まっていました。
それでもきっとダンサーさんたちに十分な給料はないだろうし、クラウドファンディングで賄えてるのは会場代金だけだし、公演を行うことの難しさも感じました。
お金持ちのバレエ評論家あたりが匿名で寄付すればいいのに
このトピックでまだまだ考察できそうですので、これで記事を書きたいです。
コスパの良い素敵な若手公演ですので、皆さんにも来年ぜひ観に行っていただきたいです!